日感アルダ

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キム・ギドク監督「魚と寝る女」あらすじ・感想

水面に浮かぶ釣り小屋が印象的な「魚と寝る女」

ロケ地は、京畿道 安城市の「古三貯水池(고삼 저수지)」です。

基本情報

題名:「魚と寝る女」
原題:「섬」(島)
公開:2000年4月22日(韓国)2001年8月25日(日本)

キャスト

ヒジン(ソ・ジョン)

釣り場「島」の管理人。
水上の釣り小屋へ客を送迎。客の要望で飲食物などを届け、夜には自分の身体も売る。

ヒョンシク(キム・ヨソク)

元警察官。恋人の浮気現場を目撃し殺害。死に場を求め釣り小屋にやってくる。

ウナ(パク・ソンヒ)

「島」からの注文を受け、派手な格好で珈琲や食べ物を持ってくるコーヒーアガシ(出張型売春婦)

マンチ(チョ・ジェヒョン

ウナをはじめとする売春婦の元締め。

あらすじ

釣り場を訪れるヒョンシク。
無愛想でひと言も口を利かない女主ヒジンの小舟で水面に浮かぶ釣り小屋へと案内される。

日が落ち、命を断とうとするヒョンシクをあやういところで防ぐヒジン。

だんだんと共感めいたものが生まれていき、ヒョンシクへの執着が芽生えていく。

釣り場に警察が検問が入り、状況に耐えられなくなったヒョンシクは釣り針で自殺をはかるが、ヒジンは警察にバレないようにかくまい蘇生をする。

ヒジンの執着は度を増していき、ヒョンシクを思うようになるコーヒーアガシのウナに嫉妬し殺害&証拠隠滅。更に元締めのマンチも殺害。

ヒョンシクは閉鎖された環境の釣り小屋とヒジンの執着から去る決意をするが、針にかかった魚と同じで逃げることはできない。

やがて殺害の証拠らしきものが発覚。ヒジンは釣り小屋にエンジンをつけて逃亡するが、船底に穴をあけエンジンを外す、、、

まとめ・感想

多くの人の考察対象になる作品かと思いますが、メタファーがわかりやすいので見たまんまかと思います。

キム・ギドクの作品を何本か見ていけばわかるのですが、それらへのこだわりが見えてきます。

追い詰められた状況下だからこその肉欲、結局は寂しさを埋め合うだけの関係、別れたくても別れられない状況、嫉妬と軽蔑、、、などなど。

これらが蔑まれるべきものか?というと突き詰めれば、その身勝手さも純真であり、、、

魚と寝る女、受取人不明、悪い男、絶対の愛、嘆きのピエタメビウスThe NET 網に囚われた男、コースト・ガード
〜と、何本か見たのですが、メタファーがわかりやすい(言い換えるとピュア)がゆえに余計に残酷だったり刹那だったり滑稽だったり。

前期の作品は勢いが感じられるのですが、後期作品はネタ詰まり感は否めなく、己の貧困や無学のコンプレックスから抜け出せない感に包まれていき、まるでそれは作品の多くに登場する孤独な船(大海原を航海せずある一定の範囲を漂っている感)のように感じます。

〜何本か見た作品についても、結果的に行き着く感想は同じなのでこの先記録しようかどうか悩んでいます。

「受取人不明」(2001年)については、呪縛のような米軍との関わりと孤立した基地街、監督が感銘を受けた「ポンヌフの恋人や」「羊たちの沈黙」の影響がストレートに現れていて若さ(青さ)を感じました。
(この作品の主演、ヤン・ドングンが個人的に好きです)

この作品については、個人的興味事項の「バッカスおばさん」と類似システムの「コーヒーアガシ(커피 아가씨)」(この作品では出前)が登場するのでまとめました。

 

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