日韓アルダ

近くて遠い国!韓国文化を映像から考察〜ジャニーズ文化もウォッチ

映画「HOMESTAY(ホームステイ)」〜考察&感想(原作&タイ映画比較 ネタバレ含む)

配信から2週間が経過した「HOMESTAY(ホームステイ)」

そろそろ具体的な感想もチラホラ出てきたようなんで、気になった点を色々書いていきたいと思います。

※ネタバレはありますが、あらすじは書いてません。
※視聴方法わからない方のためにAmazonの直リン貼っています。アフェリエイト目的じゃないので書き方が優しくないかもですが参考にしてください。

前回の記事はコチラ👇

なぜマスゲーム

〜本作を観て個人的に一番「!?」となったのが、創立百周年記念のイベントで「マスゲーム」をやるという設定。

ちなみに原作には出てきません。

マスゲームと聞いて、つい北朝鮮を思い出してしまったのですが、「人文字」という表現に変換すると、高校野球の応援席でよく目にするし耳にする言葉なので、映画で取り入れるのもわからなくもないのですが、どうも腑に落ちず、タイで同小説(森絵都「カラフル」)を原作として作られた「ホームステイ ボクと僕の100日間」(2018年)を見てみると、細密な人文字とその製作工程が出てきました。

全体のイメージとしては、人文字で協調性や個々の持つ個性を表すといった感じではなく、8ビットの持つデジタル感(?)で雰囲気を盛り上げるというか。
(真に該当する男の子の遺書はノートPCの中に入ってました)

ピクロスという数字に従ってコマを埋めていくと絵が出来るゲームがあるのですが、あの謎解き具合に非常に似てるなと思いました。

で、タイ作品の工程様子がコレ。「HOMESTAY」のマスゲームと雰囲気ことなるでしょ???(画像並びはストーリーと前後します)

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上段:PCや手書きで図案を作成 中段:1人が受け持つボードは細かいマス目の多色カード 下段:完成形(HOMESTAY同様マスゲームの作品は自殺する前に描かれたもの)

◇◇◇

さて、ここでマスゲームの意味について考えてみます。

北朝鮮マスゲームしかり、体操とか隊列とかピシッと揃える集団行動の類はたくさん存在します。

そこには、揃ったものの美しさ,みんなで成し遂げることの素晴らしさ等の反面、統一されたものの物悲しさ,なにかしらの強制力、、、と相反する物事が存在します。

で、思ったのです。

「あ、これって人生だな。」と。

〜産まれた時に一人一人にマスゲームのボードが渡される。しかし全員が同じ色数ではない。生きている限りその頁を捲り続けなければならない。人間は捲ることだけに集中したり自分の持色に嘆いたりするけれど、実は自分のボードが一枚の絵を作るのに重要な役割を担っている。言い方を変えると、絵を作らされているのではなく作っているのは自分で、自分と同じ思いの人が集まればまた別の絵ができあがる、、、というか。
世の中は複雑な図案で構成されているので全体像を見れば自分の捲りサボりは意外とわからないし、多少遅れても取り繕うことが出来る。
今自分の捲る色が嫌いなものばかりでもこの先にいい色が出てくるかもしれないし、過去に出会った色の頁を覚えておけば上手く利用することもできる、、、

…と、色々と考えました。色だけに(笑)

アジアのファン同士がAmazonオリジナル作品を共有できる可能性

原作に全然ない「マスゲーム」然り。「HOMESTAY」は、原作よりも「ホームステイ ボクと僕の100日間」を感じさせる演出が多く感じられました。(砂時計、多様な姿の管理人、花火、母さん交通事故等)

それは「パクり」とかではなく、タイ版への完全なるオマージュともちょっと違って、原作小説やアニメ、タイ作品、そして日本作品(田中聖主演も含む)を、各国のファンが比較考察し、作品を深め楽しむ要素を投げかけてるなと。

「HOMESTAY」作品一本でも満足感はあるけれど、関連作品を見ると、なせここを省き取り入れたのか?とか、どうして日本版はここに落ち着いたのか?など噛めば噛むほど色味が増していく。

タイ版の主役のミンを演じたティーラドン・スパパンピンヨー(通称:ジェームズ)は、大ヒット映画「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」(2017年)でデビューした次世代系の俳優さんで、ヒロインのパーイを演じたのはBNK48のキャプテンのチャープラン・アーリークンと東南アジア圏での人気者。ちなみに東南アジア市場は、今後Amazonが拡大したいエリアでもあります。
Amazonプライムビデオは200カ国以上の国で視聴可能だが、Amazonサイトを運営している国は18カ国、そのうちアジアは日本、中国(ほぼない)、シンガポールと思ったより少ないのが事実。

今後日本で製作されるAmazonオリジナルの映画は、日本だけではなくアジア圏全般の視聴者を意識した作品になっていくと思われます。

ちなみに「HOMESTAY」のレーティングは『13+』で、視聴者はティーン・エイジャー 一本狙いとなっています。

Amazonプライムビデオを見るのにはプライム会員かプライムStudent会員になる必要があり、その説明 。

ここがAmazonのわかりづらさなのだが、未加入の人は下記リンクから登録可能

会費については私は既に会員なのでこうような表記になっているけれど、30日間の無料体験後は年会費4900円または月500円の会費となる。
※我が家は半年で会費の3倍以上の送料が無料になっているので完全にモトは取ってます(笑)

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学生さん用のプログラムもあり、どうやら税込み500円で下図のサービスが受けられるようです。(今キャンペーンで250円云々と書いている)

内容をよく読んだのだが、私たちプライム会員の特権「送料無料」がないだけで内容は同じようです。映像サービス単体の配信会社よりずっと恩恵がありますよ。

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下記、直リンク👇

平和と多様性、自ら命を絶つことへのふんわりとしたメッセージを感じた。

まず、ロケ地「広島」。

エンドロールを見るまでそれと気づかなかったのですが、高層マンション〜真の家〜高層ビル+川+白い建築物〜桜並木。この流れがとても美しく思えたのです。

調べてみると、写っている建物は「広島平和記念資料館東館」とのこと。下図真ん中の有名な「広島平和記念資料館」(設計:丹下健三)が写っておらずただただ東館。それがなんとも印象的で。(個人的感想)

作品全体的に国外から見るステレオタイプの「広島」は薄いのだけど、感じざるを得ないというか。(その他、修道中学校修道高校平和記念公園路面電車とか、、、)

ロケ地巡りをするファンも出てくるかと思うのですが、長尾謙杜を感じるとともに「平和」についても感じる仕組みになっているなと。

👇ロケ地詳細は各自お調べください。
支援映画『HOMESTAY(ホームステイ)』Amazon Prime Video世界同時配信|広島フィルム・コミッション

以下、丹下都市建築設計 公式HPから流用。

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〜そういった感じで、広島の持つ深さと痛みを知ってこその優しさが、そのまま映像に反映され、作品にも反映されているような気がしました。

主人公のシロ(真)は、小説では身長にコンプレックスがあり、顔も性格もパッとしない男の子なのですが、これをまんま長尾くんに当てはめるのは失礼かもなのですが、当てはめるべき点は「十代が持つ一時の儚さ」。

長尾くんはビジュアルも精神面も「可愛い」と「カッコいい」の中間、これから方向性が定まる分岐点にいるように見え、まさにシロや真と同じ年齢の代弁者のような気がしました。

加えて美月先輩の同性への想いの件。

あっさり目に描かれているので「?」と感じる人もいると思うのですが、美月先輩は莉子を思っている気持ちを外に出せないのですごーく抑えめな演技となっているんです。(莉子の写真を見たり莉子のことを語ってる時は実に恋をしてる顔をしてる)

で、ここでシロは屋上で美月に「カラフル」について語るんですよ。

でも、赤だったり、青だったり、紫だったり。

みんなそれぞれ持っているのは一色じゃない。

ここの部分から物語は一気に転調し、シロは真に体を返したいと決めるわけです。

◇◇◇

「自ら命を断つこと」に関して。

所詮人生は長めのホームステイ。

真、しぶとく生きなね。

管理人は真(シロ)にこう告げます。

気楽なような気がしますが「しぶとく生きる」ということには、実はかなりの割り切りと覚悟がいるものです。

真は最後、

しぶとく生きていけばいい。

人生はただのホームステイなんだから。

と悟ることができたわけで、この言葉は視聴者に「しぶとく生きよう」というメッセージを放っているように見えました。

誰しもが「シロ」で、誰かの「管理人」である。

◇「シロ」という名前は、原作では「ぼく」タイ版では「彼」になっています。

なぜに「シロ」なのかと考えたのですが、真の存在感のなさ(空白)もあるかもですが、「まっさらな状態」であると思えました。

私もそうですが、みなさんもなんらかの「色」がついているはずで、それにこだわりすぎて見えなくなっているものが多々あると思われます。

煮詰まったことが起こった時、一旦「シロ」になる。言い方を変えると「客観視」とか「俯瞰」。マスゲームの中からちょっと出てみて全体を見渡してみたり、自分の持ち色の整理(隣の人から違う色をコッソリもらうとか)をすると、シロと真の関係同様、解決の糸口が見つかるのでは?と思いました。

◇真には家族や友達がいるけれど、私には誰もいないっていう人もいると思われますが、「管理人」になり得る人は必ず存在する。それは身近な人じゃなくても、それこそ本や映画から生き方を学ぶことだったり、元気をくれる推しも、コンビニの店員さんもSNSのフォロワーさんも、自分自身も実は誰かの魂を導く「管理人」になるポテンシャルがあると思いました。しぶとく生きよう!

・・・ということで気になった点考察終わります。思い出したら追記します。
以下細かいことまとめです。

キャスト

シロ/小林真(長尾謙杜)
Profile(なにわ男子) | Johnny's net

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藤枝晶(山田杏奈)
山田 杏奈 | アミューズWEBサイト

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高坂美月(八木莉可子
八木 莉可子 | ASIA CROSS|エイジアクロス公式サイト

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小林満(望月歩
望月歩 プロフィール

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莉子(安藤ニコ)美月先輩が恋する女子
FOSTER Management Office|Artists

<管理人一覧>

※管理人は複数いますが、話口調から同一人物かと推測。

看護師/清掃員(濱田岳STARDUST - スターダストプロモーション制作3部 - 濱田岳のプロフィール

タクシー運転手(渋川清彦)渋川 清彦(KIYOHIKO SHIBUKAWA) - 株式会社ディケイド

美術教師(眞島秀和http://zazous.co.jp/

進立党 佐野ひろか候補(阿川佐和子阿川佐和子 - Wikipedia

少女(浅田芭路)お手つき1回目カウント者 Space Craft Group

橋の上の怪紳士(篠井英介)お手つき2回目カウント者 篠井英介 - Wikipedia

路上アーティスト(渡辺大知)THE YELLOW MONKEYの「JAM」歌唱演奏 渡辺大知公式サイト

<その他>

お父さん(佐々木蔵之介佐々木 蔵之介 | 株式会社 ケイファクトリー

お母さん(石田ひかり石田ひかり | TEN CARAT

メガネ店長(近藤公園近藤公園 - 大人計画 OFFICIAL WEBSITE

その他細かいアレコレ情報

【作品DATA】
監督:瀬田なつき
脚本:菅野友恵、大浦光太
原作:森絵都「カラフル」
製作:三木孝浩音楽    mio-sotido
主題歌:ずっと真夜中でいいのに。「袖のキルト」
制作会社:TBSスパークル
配給:Amazon Prime Video
公開:2022年2月11日世界配信
上映時間:112分

◆美月先輩とのデートに備え、鬼検索するシロ。画面に出てくる「蓮池美術館」は存在しませんが、金魚の水槽が印象的な「アートアクアリウム」はありますが現在休館中のようです。

アートアクアリウム | ART AQUARIUM

◆真について
修友高校の2年C組。誕生日は2004年9月8日。スマホロック解除は「200498」。
部屋のインテリアはメンカラ同様、黄色い壁黄色いカーテン。壁にミミズクのポスターが貼ってあったが詳細不明。細かく黄色主張あった印象あり。

◆彩雲
美月先輩が電話で「外、彩雲!」「これで幸せがいっぱいくるね」のくだり。真が「彩雲は幸せの前触れ」と教えたそうだ。
👇2022年2月22日に彩雲が見られたニュース記事貼っておきます。

◆真デートファッション
デートの勝負服は、赤系のコンバスローカット,白パーカー,黄色のボディバック,デニム,水色系の羽織物。待ち合わせは、ミハチキテル。

◆真の部屋の時計
これだと思います。各自適当に探してください。

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◆真の兄 満
「消えた初恋」の井田の幼馴染で親友の豊田君(バレー部所属)

◆印象的なセリフ

「彼女ゲットまであと僅か!」(シロ)

〜真=シロ。シロがチャラいのではなく、真の潜在意識にこういう明るい色が存在していたということか。

「真くんはカッコいい。初めて真くんを屋上で見た時、誰にも流されないで独りでじっとキャンバスに向かって絵を書いていた。」「誰にも崩せない自分だけの世界をもっていることだよ。」「強い人だなって思った。」(美月)

〜美月が真にシンパシーを感じ、若干思い込みな面もあるが、これも真の持つ色のひとつである。

「借りたものは返さないとね。」(真の母)

〜ちなみに真が借りて返さない本は、ヘッセの「車輪の下」。
真とダブる話。最後は体も本も元通りにあるべき所へ返却されましたね。

まとめ

〜というわけで、ざっくり色々感想書いてみました。

配信作品なので過激な表現幾らでもできるのに、敢えてティーン・エイジャー向けの作品を自社オリジナル邦画の一本目として放ってきたAmazonの計算高さが感じられる作品でもありました。

長尾君はじめ若手キャストがキラキラ光っておりましたが、満役の望月歩が非常にいいなと思いました。今後も注目です!

派手さはありませんが、原田知世主演の「時をかける少女」(1983年)のように残る作品になると思われます!

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以上となります。長文お付き合いいただきお疲れさまでした。
間違いなどあったらコメントでお知らせください。

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