こんにちは、ぷんおです!
本日は、北朝鮮の海に浮かぶ『海金剛(へぐむがん)ホテル』を解体ニュース(2022-03-14)についてです。
このホテル、世界で初めて作られたフローティングホテル(海上ホテル)なんですよ。
オーストラリア時代(1988〜1989年)
『ジョン・ブリュワーフローティングホテル』として開業
オーストラリア東海岸のタウンズビルから約70km離れたジョンブルーワーリーフ海上に浮かぶの5つ星ホテルとして開業。
《施設概要》
地上7階建て、客詞部分5階建て、総客室約200室(定員3)、ディスコ、バー×2、レストラン×2、図書室、ウェイトリフティングルーム、サウナ、ヘリポート、テニスコート、50席の水中展望台
《年表》
[1986年]シンガポールの造船所で建設
[1987年]予定より半年遅れで完成。 実際に納められたのは1988年1月。 到着サイクロンに見舞われ、更に2か月間営業延期。
[1988年]3月にようやく開業。繁忙期を逃してしまい大損失の末一年足らずで閉業。
『フォーシーズンズ・バリアリーフ・リゾート』として営業
1989年にベトナムに移るまで『フォーシーズン』ブランドで営業。
ベトナム時代(1989〜1997年)
『サイゴンフローティングホテル』として開業
1989年、日本の開発会社が購入し、その後(売却先不明)ベトナム・ホーチミン市のサイゴン川に移転。宿泊客の人気を集め、1997年にかけて営業。
経営悪化で、韓国の現代グループに約1,800万(約19億3000万円)ドルで売却。
北朝鮮時代(1998〜2008年)
『海金剛(へぐむがん)ホテル』として開業
金剛山開発を行う現代峨山は、シンガポールに持ち込み修理の後、オーストラリアから約1万4000kmの旅を経て、北朝鮮の金剛山観光地区付近の『長箭(ちゃんじょん)港』にホテルを係留。
2000年、南北融和ムードを受け韓国人観光客中心のホテルとして『海金剛(へぐむがん)ホテル』(호텔해금강/Hotel Haegeumgang)として開業し、10年後の2008年まで営業。(閉鎖の詳細は後述)
ビジネスホテルのような室内
ラーメン屋のようなカウンター
ビジネスホテルのようなラウンジ
韓国が作った施設が気に入らない将軍様
このホテルの話、ピンとこない人も、この画像で「あ〜あ、これか」とお気づきいただけるのではないかと思います。
1998年、金大中政権が発足し、韓国からの観光客が増加。現代グループ(創業者の鄭周永が北朝鮮出身)が開発を手掛けた金剛山観光地区。
2008年の北朝鮮兵士による「韓国人観光客射殺事件」をきっかけに韓国側が観光ツアーを停止して以後、前述の『海金剛ホテル』をはじめ各施設は手つかずのまま。
2021年の演説で金正恩は、金剛山を含めた観光業について下記のように述べています。
金剛山地区を朝鮮式の近代的な文化観光地に変えなければならない。
高城港の埠頭にある海金剛ホテルをはじめとする施設を全部取り払い、金剛山の美しい自然景観によくマッチしながらも朝鮮人民の情緒と美感に合う典型的な朝鮮式建築形式の建物を建設するという課題が提示された。
金剛山観光地区総開発計画に従って、高城港海岸観光地区と毘盧峰登山観光地区、海金剛海岸公園地区とスポーツ文化地区を特色があるように整備する事業を新たな5カ年計画の期間に年次別、段階別に行わなければならない。
引用元:「見るだけで気分が悪くなる」金正恩氏の命令、執行進まず(高英起) - 個人 - Yahoo!ニュース
〜以下『海金剛ホテル』以外に取り壊し対象になるであろう施設。
離散家族面会所(家族ホテル)、金剛山ホテル、温井閣、高城港、文化会館、金剛山玉流館、金剛ペンションタウン、九龍村、温泉ビレッジ、第2温廷閣、高城港海鮮料理店、高城港ゴルフ場、高城港出入国事務所などが、撤去リストに入っています。
調査を終えての感想
個人的には北朝鮮っぽくていいなぁ〜と思っていた寂れたフローティングホテル。
取り壊しは残念ですが、今回の調査で金剛山に立ち並ぶ現代グループ製の建築物をじっくり見ることができました。
金正恩が言う通り、景観にマッチする朝鮮式建築物に建て替えるべきだ!と、わたくしぷんおも思うのですが、北朝鮮建築といえば下記記事のような印象でしかなく、朝鮮式の建物を作る日本でいう宮大工的な建築技術者はいるのかな?とちょっと疑問に思いました。
以上となります。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。
画像はCNNニュースの流用 https://www.cnn.co.jp/photo/35180033-8.html
参考:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58063 その他ウィキペディアなど