日感アルダ

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韓国スイーツ「パッピンス(ピンス)」の進化と歴史〜韓流第1世代よもやま話【考察コラム】

こんにちは!韓流第1世代のぷんおです🐟

気づけば韓国を見つめて20年以上、、、

そんな私の目から見て「韓国、変わったな〜ぁ」と思う点を書いていきたいと思います。

本日は「パッピンス(ピンス)」です。

※画像が多いのでページが重いです!

2000年の韓国ドラマにおけるパッピンス

まずは下記画像をご覧ください。


左の飲み物がやや薄めな韓国独特のアイスコーヒーというのは言わずもがな。

さて右の器はというと、、、

実はこれ「パッピンス」なんです。

画像は「新貴公子」(2000年)から。

いい大人が真剣な話で喫茶店で待ち合わせ。男性のほうがパッピンスを頼むというコミカルシーン。

半溶け感でしかありませんがトッピング類もあんこやスイカが目立ち、氷の感じは今ほどふわふわではなく極めて地味な印象。

・・・22年という時の移り変わりを感じます。
よく見ると器がデコラティブでオシャレなのも印象的です。

パッピンス(ピンス)」とは?

その前に「パッピンス(ピンス)」についての基本情報。

パッピンス(팥빙수)」は「小豆(팥 パッ)」+「氷水( 빙수 ピンス)」の意味。

日本の「かき氷」に該当するスイーツです。

最近の日本では「ピンス(빙수)」との表記が多いようなのですが、2010年あたりまではあんこが乗ってるのが当時のデフォルトだったためか、ガイドブックなどでも総じて「パッピンス」と呼ぶことが多かった気がします。

パッピンス(ピンス)」歴史

1935年の日本統治時代に釜山に製氷工場ができ、品質の良い氷が流通。
それ以降、大衆にかき氷が広まったとの話ですが、現在の韓国独自の色々と乗っけ盛ったスタイルが形成されたのは、朝鮮戦争以降(1950~1953年休戦以降)以降と考えられます。
(もちろん1935年以前にもなんらかのものが存在かと思われますが、限られた階級の人のものだったと考えられます)

使われる食材分析

<伝統的素材>
小豆(あんこ)、コンカル(きな粉、豆の粉)、トック(餅)、よもぎや茶粉、地元で採れる果物など

<米国からの流入食品>
フルーツ缶、ゼリー、ナッツ、シリアル類、コンデンスクリーム、ホイップクリーム(動物性油脂の低いもの)、チョコレート、ココア、コーヒーなど

盛り付けの進化

パッピンス(小豆氷)」の原型は下記Wikipedia(韓国語)のようなもの。

◇◇◇

下記画像は2010年のパッピンス。韓国老舗のパン屋「太極堂」のものです。

「太極堂」は1945年創業。1973年に奨忠洞(チャンチュンドン)に開店した店舗(現在の本店)でピンスやモナカアイスを売り出したとの記載があります。

使用材料は、あんこ、シロップ漬けミックスフルーツ(フルーツ缶)、ゼリー。
どちらかというと日本のフルーツあんみつ・みつ豆に近いスタイルです。

ここにシリアルが散りばめられてるあたりは、米国からの食影響を強く感じます。

参考 画像引用元:コリアヘラルド

◇◇◇

韓国で国内産の冷蔵庫が発売されたのは1965年(現LG)で、当時の大卒初任給が11,000ウォンに対し冷蔵庫の価格は18,000ウォンと超高級品。本格的に普及したのは1980年代になってからとのことです。
参考:中央日報

また、アイスクリームの国内発売は1970年(ブラボコーン)。

これらを元に考えていくと、果物の生産輸入流通が安定しフルーツのバリエーションが増え、70年代から徐々やアイスクリームなどの類が乗っていき、現在のような様々なスタイルのピンスが増えていったことが考えられます。

◇◇◇

氷削機が手頃になり最近では電動が当たり前。糸のような氷が作れるマシーンまであるそう。(糸ピンス。知りませんでした汗)

主原料である「水」にもこだわりを見せるようになりました。

スタイル的にも時代時代の流行が反映され、台湾のかき氷(雪花冰)やスイーツの影響も取り入れるようになっています。

前述の太極堂のあんみつ風西洋風だったピンスは、材料はそのままで韓国らしい盛り付けとなり、韓国レトロ感・老舗感を醸し出しております。(お孫さんの代になってるようです)

画像が重いので貼りません。画像は太極堂(태극당)さんのインスタアカウント @taegeukdang でご確認ください。

ガイドブックのピンスたち

家にあったガイドブックからとなります。

ガイドブック本自体の出版もコロナ禍で途絶えている昨今、なかなか感慨深いものがあります。

2009年

◆ララチッタ(JTBパブリッシング

スイーツというカテゴリーがなく「伝統茶屋・カフェ」となってます。ピンスは2店。

2010年

◆ララチッタ(JTBパブリッシング

韓流スイーツなる言葉でピンスに1ページ使われております。
レッドマンゴー&カカオグリーンは健在ですが、キャンモアは今あるのでしょうか?

2011年

◆ララチッタ(JTBパブリッシング

ちょっとおしゃれになってきた感。見開き特集。
伝統茶屋と伝統菓子くらいしか特徴的なスイーツがなかった時代。
ワッフルは流行っていた記憶で、サボイホテルの2階にビーンス ビンスができた頃かと思います。

◆aruco(ダイヤモンド社

グルメカテゴリーの最後にスイーツ特集という扱いで見開きの左1ページがピンス。
右ページは伝統菓子がメイン。

2019年

◆aruco(ダイヤモンド社

ピンス見開き特集。
その他にスイーツ特集が組まれています。

たった3年程度前のページなのですが、時代遅れ感があります。

これがスイーツのページ。
このビジュアル重視ド派手系なものは最近めっきり減ったように思われます。

最近の状況

『フォトジェニック』『映え』の定義も変化し、激しい渦巻状のソフトクリームや盛高いスタイルは激減。素材へのこだわりを見せ、ある意味点回帰しているような感じに見受けられます。

数年前まで『韓国スイーツ』というとカラフルで毒々しいものが多かったですが、ナチュラルな雰囲気のものが定番となった感じです。(韓国独特の放射状盛り付けに回帰した感じ)

ここで多くの人が思うのが「こんなにたくさん果物使っているのに、なぜ低価格で売ることができるのか?」と「韓国人はなぜ果物を多く食べるのか?」ということになるかと思うのですが、そこが日本との海外の品質規格の基準の差。

我が国日本の安全性へのこだわりは誇るべきものですが、傷や形にこだわりすぎるためにそれが価格に跳ね返っているという実態も考えねばならないところだなと思います。

👇ソウルナビ(ナビさんはピンスの食べ比べ企画を長年やっておられます)

まとめ・ぷんおの感想

ピンスの特徴はやはり『食べ方』。
・よく混ぜて食べる
・数人でひと皿をスプーンでつつくことが多い
韓国ならではの古くからの習慣文化が残るスイーツだなと実感しました。

そう考えると一番最初の「新貴公子」の素敵な装飾のあるガラス器にのった小盛りピンスは、当時おしゃれピンスだったのかな?と考えたりもしました。

〜以上となります。
またお会いしましょう🐟🐟

ここ20年で韓国の他のスイーツもすごく変わっているので別の機会にまとめたいと思います。(脂肪分の高い生クリームやプリンなどがなかなか定着しないのが気になります)

【注意】ドラマのスクリーンショットやガイドブックの画像の著作権は著者側に帰属します。今回は食文化の歴史考察として掲載しています。著作様からのお申し立てあれば即削除対応いたします。そのため流用転用等はお控えください。
※古めのピンスは『ソウルナビ』、台湾かき氷は『台北ナビ』で特集記録あります。こども自由研究でお困りの方はそちらもぜひ参考に!