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韓国映画『絶対の愛』あらすじ感想〜コンプレックスの塊 キム・ギドク【考察】ネタバレ

こんにちは!ぷんおです。

本日は故キム・ギドク監督の『絶対の愛』(2006年)のあらすじ感想です。

何回か書き直ししている記事なのですが、同じ「はてなブログ」のフォロワーさん『無人島シネマ』さんの記事でメインビジュアルが変わっているのに驚いて思わず記事更新しました(笑)

い、いったいどうしたんだ???

※本記事は2022年4月25日のリライトとなります。
※本記事はネタバレとなります。知りたくない方は戻るボタン対応を。

絶対の愛(字幕版)

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基本情報

原題:『시간 』(時間)
公開: 2006年8月10日
監督脚本: キム・ギドク
キャスト:ソン・ヒョナ、ハ・ジョンウ、パク・チヨン、杉野希妃他

あらすじ

※主観で端折り&解釈混じり記載です。

ーーー

交際2年目。

彼氏のジウ(ハ・ジョンウ)の目線が他の女に行くことがとにかく許せないセヒ(ソン・ヒョナ)。夜の営みも倦怠で不満。

そんなジウに自分を他の女と想像し営むことをを提案。ジウは絶頂に達するがセヒは愕然。

自分の顔がいつも同じだから飽きられているのではないかと考え、セヒは突然姿を消し美容整形に挑む。

◇◇◇
セヒがいなくなり1ヶ月。
ジウは2人の思い出の場所『ペミクミ彫刻公園』がある茅島(モド)へ独り訪れることにする。

行きのフェリーで同乗したマスク姿にサングラスの奇妙な女。ジウは彼女が気になりカメラのシャッターを押す。

◇◇◇

失踪から6ヶ月。新しい顔を手に入れたセヒは、いつものカフェのウェイトレスとなり“スェヒ”という名前でジウに接近。スェヒとして関係を結ぶ。

スェヒの顔になったセヒは失踪したセヒとしてもう一度会いたいとジウに手紙を書き車のワイパーに挟める。

それを読んだジウは元の彼女が忘れられないとスェヒを振る。

◇◇◇

再会した2人。

「愛のために顔を変えた」というセヒの気持ちが理解できないジウは美容整形クリニックの院長の元を訪れそれがセヒの愛の形であったことに気づく。

そしてジウと同じように自身も整形を試み、新たな顔になってセヒに会いにいくことにする。

◇◇◇

院長からジウの整形の話を聞いたセヒ。

手術から6ヶ月後(ダウンタイムあけ)、男に出会うたびにジウなのかと胸をときめかせ、接近してきた男を確かめだす。

手の大きさ、握り具合、笑い声、過去の写真、住民カード、、、

やっとのことでジウと思しき男の部屋に招かれ身体を重ねたが、名前が違うと跳ねのけてしまう。

◇◇◇

ある日、気配にやっと気づき姿を追うが、ジウらしき男は車に跳ねられ血みどろで判別がつかない顔となってしまい、、、

原題の『時間(시간)』の通り、作品冒頭にセヒと美容整形外科から出てくるサングラスにマスク姿の女はセヒ自身であり、作品全体がぐるぐるとループし続けることとなります。

〜セヒ=サングラス&マスク女=スェヒ。もしかすると足湯合コンの射撃女もそうかもしれません、、、

ぷんおの感想

キム・ギドクの作品を全部観たわけでないのでよくわからないが、性描写や暴力&残虐シーンが他作に比べ少ないような気がしました。

このことが逆に彼のコンプレックスをより深く浮き彫りにさせているように感ました。

顔を変えても元カノの気配を感じる男と、元彼が目の前にいても絶対的確証を求め続ける女。

この構図は生い立ち、学歴、容姿、、、とコンプレックスだらけの故キム・ギドクの女性に対する皮肉であるかと思われます。

とはいえども、明らかになった性暴力事件や現場における #Metoo運動の数々。

それを知った上で作品を見直すと、このアイロニーは単なる欲望と私怨であり、、、とも考えるのですが、世界的に成功し大監督になってもどこか認められない韓国社会の厳しい格差を感じなくもなくはないです。

〜以上となります。

ロケ地情報