リボンがついたまま『フタを “パカッ!”』韓国のプレゼントボックス【考察】

こんにちは!ぷんおです。

本日は、古い韓国ドラマのプレゼントシーン鉄板の “あの箱”について話をしようと思います。

“あの箱”とは、、、

フタのみにリボンがついていて、その場で『パカッ!』と開られる箱ですよ!
〜参考までに作ってみました(^ω^)

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実はこの話、前に運営していたブログで取り上げ、結果的には“韓国の文化的なもの”では?という推論で終えたのですが、1年以上経った今になって「これだ!」というものが思い浮かんだので、ドラマのワンシーンを交えながら改めて考察立てしていくことにします。

“あの箱”が出てくる作品

明朗少女成功記(2002年)

かなり古い作品ですが『チャン・ヒョク&チャン・ナラ』W主演なので聞いたことがある人も多いかと思います。現在確認できる配信は楽天TVのみです。

その中に出てくる“あの箱”がこちら!
就職が決まったボベ(左)にヨンチャン(右)が、社会人らしい服装をしろとプレゼントにスーツを渡すといったシーン。

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このド派手なリボンのセンスとチープな箱。
当時の日本人の感覚にはありえなく、かなりビックリしたのですが、
それよりもド肝を抜かれたのは、、、

いきなりその場で大きな箱のフタがパカッと開いたんですよ!
“リボンがついたまま” パカッ!

当時の日本でのプレゼントのデフォルトは、ラッピング+リボンで箱全体を結わえるといったものだったのですが(最近は多様化してますが)それが皆無!(韓国の百貨店などでのラッピングは有料で別場所で受け付けるということを後に知りました)

当時はこの箱に驚きそこに気持ちが集中してしまい気づかなかったのですが、このシーンって別になくてもいいんですよね。

美しき日々(2001年)

言わずもがな『イ・ビョンホン&チェ・ジウ』で大人気を博した作品。

イ・ビョンホン演じる主人公のミンチョル。レコード会社の企画室長といったクリエイティブな職業のためか、やることなすこと奇想天外。

そんなミンチョルも “あの箱”を贈っています。

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相手はもちろんチェ・ジウ演じる演じるヨンスさん。
俺様(室長)との通話専用電話です。

カメラに向けて、、、
「ドヤッ!」

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画面いっぱいに映し出される携帯電話!しかもかなりの長映しなんですよね。
なかなか不自然です。

一応、中身の白いホワホワパッキンで うっすらと“携帯電話のロゴ”を隠してるっぽいのですが、どうみても携帯の宣伝をしてるとしか思えません。

その微妙さが韓国独自の「間接広告」の曖昧さなのです。

韓国の間接広告(PPL)

間接広告・PPLとはプロダクトプレイスメントの略。

ささっと映り込む特定商品、舞台となる企業やブランドが実在する企業と1文字違いとか、やたらと出てくる飲食チェーンなど、文字通り“間接的”に特定企業や商品を連想されるものを意図的に入れ込む手法が「間接広告」です。

韓国の放送業界は、未だに政府関連機関により管理されており、表現規制も厳しいまま。特に地上波のCMの放送時間が特殊で、番組と番組の間にまとめて放送される形式がメイン。視聴者が視ないでスルーしてしまうので効果的とはいえません。(今年になってやっと番組中に挟み込む「中間広告」が解禁になったようです。ケーブルテレビはもとから中間広告あり)
参考:韓国,地上放送で番組途中のCM解禁へ|NHK放送文化研究所

番組制作陣は、CMの効果のなさとジリ貧の制作費のなさをカバーすべく、番組内にスポンサー製品や連想させる文言を入れ込んだりと規則のギリギリ・スレスレの苦肉の策を講じ、スポンサーの期待に応え広告費(=制作費となる)をもらいます。

たとえ車のエンブレムにボカシが入ろうが、着用衣装なんかのロゴをガムテーム貼りして醜くなろうが「ケンチャナヨ」なのです。

そうでもしないとスポンサーの意向に応えられない!やったもの勝ち!という感が強いのです。

“あの箱”が誕生した理由は?

前述の通り、箱の中身(箱に入っていなくてもプレゼント)は、さほどストーリーに関係ないけれど女子の憧れのカップルリングや、ちょっとしたアクセサリーや衣類、コスメだったりします。

「パリの恋人」(2004年)では、パク・シニャン演じるギジュが、主人公テヨンにシルバーのネックレスを貸し、後で返せという意味不明な設定。その他に徹夜明けのテヨンのためにコスメショップ(実在するCANDY POPの文字隠し)で基礎化粧からヘアブラシの果てまでを買い与えるという無理やりすぎる設定などが盛られています。

さすがにこの設定はワザとらしさとガメつさが否めませんが、きれいな箱に入れて贈るという手法をとっている他の作品のプレゼントシーンは、サプライズ感とゴージャス感に変換され、中身の商品への関心と好感が一気に高まります。

リボンがついたまま『フタを“パカッ!”』という箱の誕生は、実は商品宣伝はあるけれど、視聴者に嫌味なくドラマチックに伝えたいというアイディア(苦肉の策の好転)から生まれたものでは?と私は思うのです。

一時期、携帯電話プレゼント設定がやたらとあったのですが、袋に入れたりそのままホイッと渡すばかり。「美しき日々」のミンチョルによる“箱入り電話”作戦の劇的度に敵うものは個人的に今のところありません。

総括

・・・というわけで、今回は“あの箱”限定の「間接広告」の話でした。

韓国含め海外のラッピング文化についてもかなり調べたのですが、器用に包んでいるのは日本くらいなもので、欧米であればテープベタベタのキャラメル包みがメインなど、韓国だけが劣ってるということは全くありませんでした。

見栄っ張りだったり華やかなものを好むという民族性もありますが、戦後生活が厳しい時代が続いたので、プレゼントに対する思い入れが強いのかなぁ?とも考えたりしました。

ちなみに韓国語のプレゼント「ソンムル(선물)」の漢字表記は「膳物」。日本では「贈答」がメインでしょうか?中国語も色々ありますが「赠礼」とか「礼物」というらしいです。

この辺にお国柄が表れていると思うのですが、お膳に供える物という相互で渡す関係性がない単語というのがなかなか感慨深いなぁと想いました。(毒)

 

以上となります。
繰り返しになりますが、結論は個人的所感になりますのでご了承下さい。