日感アルダ

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「屋根部屋のネコ」あらすじ・感想【韓国ドラマ】

ネコであるべき役割のキム・レウォンゴールデン・レトリーバーのように元気に駆け回っている姿がなんとも可愛い作品です。

視聴するには?

U-NEXTで視聴しました。常時ある作品ではありませんが、一定のサイクルでアップされているようです。

概要

放送:2003年6月2日〜7月22日(MBC)全16話
原題:「옥탑방 고양이」(オクタッパン コヤンイ)

備考:ネット小説原作。

作品ポイント

儒教思想の強い韓国で初めて「同棲」を扱ったドラマ作品。
●男性が女性を守り救いの手を差し伸べるパターンが主流の当時の作品とは真逆のこの作品のヒロイン像は、その後誕生する「パリの恋人」のテヨンや「私の名前はキム・サムスン」のサムスンのような、自分のやりたいことをしっかり持った自立したキャラクターの増加に影響を与えていったそうです。

あらすじ・キャスト設定

ナム・ジョンウン(チョン・ダビン

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短大卒業後、就職浪人3年目。家族構成は警察官の父,母,お調子者と年が離れた2人の弟の5人家族。古き良き韓国の一般的なお父さんを中心とした厳格な家庭だが子どもたちは現代的な考え方。

「ひとり暮らし」(〜当時は今より更にひとり暮らしの選択はあり得ない)の夢を叶えるために家族に内緒で新聞配達などのアルバイトでコツコツ貯金しながら、海外留学中の友人ヘリョンの学生証を借りて大学図書館に通い就職に向けての勉強に励むと忙しい日々。

ある日の図書館。バイト疲れで間違ってギョンミン(キム・レウォン)の席に座っしまいヨダレを垂らしながら眠りこけていたことがきっかけで彼と知り合う。

父の春川転勤を機にひとり暮らしを家族に宣言。親の猛反対を押し切り実行に移すが、弟が通帳を盗み使い込み。不動産会社に敷金を支払えず途方に暮れていたところにギョンミンが登場。ジョンウンに好印象を与えヘリョンの気を引こうと下心満々でお金を貸してくれる。

結果それにつけこまれ同居するはめになる。(住まわせる代わりに勉強しろとの交換条件提示)

一刻も早く稼がねばならず広告会社の求人に応募。
面接会場に行ってみると応募者は大卒ばかり。そして面接官は以前公園で出会ったドンシュン。馬鹿にされた気持ちで怒りが込み上げ、自尊心を傷つけられる。

採用されたはいいが、自分だけ雇用形態はアルバイト。ここでまたプライドが傷つく。
しかしお金は必要!入社(月7万?)を決め、他のバイト(ニンニクの皮むき他)とハードなダブルワークに励む。

広告会社での仕事はひたすらお菓子を食べ続け感想を書かされたり…。と日和見で訳のわからない仕事(ジョンウンは広告専門知識がないので与えらてている仕事の根底の意味がわからない)ばかり押し付けられ不服に思うが負けずにこなしていく。

<ジョンウンのキャラクター>
・ルックスも家柄も学歴も冴えないが、自分自身に誇りを持っている。それを見下げる世の中や人々に憤りを感じ「いつか成功して見せる」とそれをパワーに変え努力を惜しまない。

・これを裏返すと、頑固で融通が効かなく自分とは違う他人の価値観を全否定。お説教が大好きで喧嘩っ早いのでこれが発端でトラブルになることが多い。

・また理由はどうであれ、男を住まわせ養ったり上司の家に夜間一人で訪問するなど、冴えない外見とは違ってかなり大胆な行動をする。かといって見返りを求めることなく、当時の韓国女子としては進んだ考えの持ち主であることが伺われる。

・とにかく経済観念にすぐれており、いつも頭で電卓叩いているタイプ。しかし脇が甘いところがあり、引き出しの通帳を弟に…台所の皿と皿の間のへそくりをギョンミンに…発見され持ち逃げされる。

イ・ギョンミン(キム・レウォン

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大学法学部留年中(3流?)

早くに両親が他界し、富裕な祖父母に溺愛されて育つが、金銭&物質援助が愛の形なので家庭の温かさに飢えている。(ジョンウンに惹かれていく根本的要因)そのためか明るいけれどどことなく刹那が感じられ、それが行動に表れている感じ。

授業には出ず女の子と遊んでばかりの日々。片思いの憧れのヘリョンが図書館で出会ったジョンウンと友人と知り、ジョンウンに好印象を与えればヘリョンもそう思って自分に関心を持ってくれるはずだと下心で近づき親切にする。

ジョンウンが敷金を払えず困っているところをこれ幸いとお金を貸し自分の優しさを印象づけるが、実情は浪費家でギャンブルでヤミ金までに手を出し首が回らない状態。

過激な取り立てに遭い困り果て今まで通り祖父母に金の無心をするが、助け舟はこず。マンションにも戻れなくなりあたふたする。しかし悪知恵だけは働く。自分が敷金を貸したことを盾に「俺にもこの部屋に住む権利がある」と主張し、ジョンウンの部屋に転がり込む。

いい加減な性格&放蕩な暮らしぶりに呆れたジョンウンからまじめに大学に通い司法試験の勉強をすることを同居の条件と約束させられる。

ネコというよりゴールデン・レトリバー感。

<ギョンミン一家とジョンウン一家の関係性>
・店先で出会った経済観念に優れ勤勉でたくましいジョンウンを気に入ったギョンミン爺。同棲は孫の更生にプラスになると踏み誰にも言わず見守る。

・ギョンミン婆はギョンミンにジョンウンの部屋は自分の部屋だと騙されジョンウンを手伝いと思い込む。後に事実を知るが家柄から学歴ルックス、、、なにもかもパッとしないジョンウンがお気に召さない。特に今でいえばスレンダーなジョンウンを「やせ細っている」とお気に召さない。(〜薄幸そうに見えるらしい)

・ジョンウンの両親は、いい加減気持ちで同棲暮らしをしているギョンミンを当然よく思うわけはなく、特に母親は責任を取って結婚するよう略式の誓約書を作り押印を強要。

・ジョンウンが連れてきた会社の上司のドンシュンとの結婚を念頭においた付き合いに大賛成。

ナ・ヘリョン(チェ・ジョンユン)

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気品ににあふれ礼儀正しく美しくキャンパスの憧れのマドンナ的存在。親は政府関係の仕事と上級国民。

移動は常にシルバーのオープンカー。ファッションは基本ノースリーブワンピースで清楚感とセレブ感を醸し出している。

ドンシュン(イ・ヒョヌ)とは家族ぐるみの付き合いで、昔から好意を寄せている。なんとか気を引こうとするが妹扱いで相手にされない。

ジョンウンがドンシュンの会社に入社し、2人の関係が深まっていくことに嫉妬し彼の気を引くためにギョンミンの気持ちを利用するがドンシュンは無関心。後にきっぱり振られる。

ドンシュンとギョンミンの2人の男の関心を奪うジョンウン(しかも自分より格下でブス)への憎悪が高まり、ついに底意地の悪い本性をあらわす。ジョンウンとつかみ合いの喧嘩に発展し流血騒ぎに。

ユ・ドンジュン(イ・ヒョヌ

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広告会社「PLUS AD」の副社長兼ヤリ手のディレクター。
ハイスペックで女性にモテるが、軽くあしらい結婚には否定的。

しかしジョンウンと出会ってから一転。媚びずに飾らない彼女のキャラクターや仕事における発想力にすっかり惚れ込み、結婚を申し込み実家にも挨拶に行く仲となる。

ジョンウンとの出会いは公園のベンチ。ギョンミンのために作った弁当を売りつけられたのがきっかけ。

ジョンウンが飼うペットの「ネコ」(ギョンミン)の存在に気づきつつ大人の対応で素知らぬふりをしていたが、ギョンミンにしっかりジョンウンの気持ちを打ち明け忠告。

ネタバレ

ジョンウンの妊娠騒動(ギョンミンの勘違い)でジョンウンの大切さに気づいたのですが、彼女と今までの関係を続けたいばかりに司法試験に受かっているのに落ちたとついた嘘がバレ、また騙されたと憤慨したジョンウンは、堪忍袋の緒が切れギョンミンを捨てンシュンとイギリス支社の研修に行ってしまう。

数年後(2年?)すっかりバリキャリ(仕事がデキる女)になり帰国。

ジョンウンの心に潜んでいる「ネコ」への気持ちを察したドンシュンに背中を押され、思い出の屋根部屋に行って感傷に浸っているとスーツ姿のギョンミン登場。

検事になってたくましくなったギョンミンとカップルリングを交換するが、いい加減さは相変わらずで、滞納家賃が払えないからと早々にジョンウンにお金をせびるという昔と何ひとつつ変わらずに喧嘩。

感想

この作品、ジョンウンのダサさとガサツさに耐えられず当時流し見していたのですが、時が経過した今、韓国の考え方や価値観を踏まえた上で視聴してみると、当時の暮らしの様子や価値観が詰まっていて面白みがありました。

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ジョンウンの微妙なヘアスタイルとファッション…

〜以上となります。

次に視る機会があったら今は消えてしまっている当時の様子をもっと観察したいなと思いました。いつの日になるかわかりませんが色々と付け足して行きたいと思います。