こんにちは、ぷんおです。
本日は「太陽の下で 真実の北朝鮮」の感想です。
北朝鮮がそうでありたい暮らしぶりを捏造する中に真実が見え隠れする面白い作品です。
Amazonプライム・ビデオ 太陽の下で -真実の北朝鮮-(字幕版)
基本情報
題名:「太陽の下で -真実の北朝鮮」
公開:2017年1月21日(日本)※2015年制作
監督: ヴィタリー・マンスキー
どんな作品か?
ヴィタリー・マンスキー監督(ロシア)とそのチームが、北朝鮮の一般家庭の様子のドキュメンタリー映像を撮影するため現地へ。
しかし、北朝鮮側から演出等への干渉が入る。(北朝鮮人の監督が了承許可しない映像はNG)
このことによってチームは逆に北朝鮮政府によって演出された「庶民の日常生活」の裏側を暴き映すことに。
真実を暴くために、カメラの録画スイッチを入れたまま隠し撮りを敢行。
北朝鮮当局の検閲を受ける前にフィルムを外部へ持ち出しこの作品を完成させた。
登場人物
ジンミちゃん(主人公)
8歳の小学生。舞踊とお花を育てるのが大好きな女の子。お父さんとお母さんの三人家族。
北朝鮮少年団の入団が決まって大喜び。
お友達たちは皆、可愛らしい洋服に寒さを防ぐ中綿入りコート姿。リュックサックを背負い楽しそうに通学する。
学校は清潔で整頓されており、文房具やノートのたぐいには全く不自由していない様子。
授業では反日・反米教育、歴代将軍を称え、国家への忠誠を誓う教育がなされている。
ちなみに、このベコニアは金正日花(きむじょんいるばな)。
葉っぱが左右対称に美しくひらいているところを見ると厳選された鉢だということがわかる。
ジンミのお父さん
撮影当初は記者の予定だったが、途中で庶民感あふれる繊維工場勤務に変更したそう。
お父さんも工場の女性たちも皆勤勉。女性工員は日々成果目標に向かって生き生きとミシンを動かしている。
ジンミの入団をみんなで喜ぶシーンを何度もやり直しさせたり、国家自慢の縫製力をアピールするセリフなどが無理やり入れ込まれている。
ジンミのお母さん
豆乳工場勤務。真面目な人柄で仕事熱心の設定。
当時、北朝鮮では豆乳の製造に力をいれており、劇中でも「豆乳は最高健康食品」とのアピールセリフが入れ込まれている。
ジンミ一家の暮らしぶり
家は高層アパート(マンション)。
壁には歴代将軍の肖像画。高級感あふれるカーテンやソファ、そしてぬいぐるみが置かれており華やかなインテリア。
しかし、テーブルがまさかの安っぽい折りたたみテーブル!!!
(これが北朝鮮のトレンドだったのかもしれないですが)
テーブルの上には、たくさんの料理が並んでいます。
ここでジンミがキムチを食べながら何度もこのセリフをやり直しさせられる。
「キムチはビタミンが豊富!200g食べれば1日のビタミンの半分摂れるのよ」
キムチ200gがどの程度がピンとこないので探してみたら、スーパーでたまにみかける「ご飯がススム君」だった、、、これを毎日2パック食べたら1日のビタミンが接種できるということになる。
街や人民の様子
万寿台大記念碑、高層建築物、巨大壁画、、、
と、近代北朝鮮の代表スポットのカットが差し込まれるが、その裏側のハリボテの様子も見え隠れする。
寒い中、律動体操をする人民、、、
地下鉄構内では列を乱さず整然と列車に乗る乗客、、、
すべてがヤラセ。
映画の終盤に差しかかってくると、居眠りしている人、アドリブを要求され戸惑っている様子など隠しきれないほころびが徐々に映し出される。
ジンミの将来の夢は?
少年団(朝鮮少年団 - Wikipedia)に入団。赤いスカーフを首に巻いたジンミの将来は、ある意味保証されたことになる。
しかし、、、
スタッフに「将来の夢は?」と質問される。
「・・・。」と首を傾げ、目をうるませるジンミ。
そして「敬愛なる将軍様は…」と壊れたおもちゃのように言葉を繰り返すのだった。
なんともいえないラストシーン
ラストは献花シーン(金日成氏の法事式典?)。
行事が終わるやいなや、供えられたお花をスタッフがバッサバッサとバケツに放り込み事務的に片づけていきます。
ぷんおの感想
✑2024年9月12日リライト✑
このページを書いたのは2022年。それから2年経った今こうしてリライトをしています。
制作されたのが2015年なので、その前から北朝鮮で撮影をしていると思うけれど、金正恩が最高指導者になってから年月が浅い時期のことだ。
だからこそこの映像が撮れたのかもしれないと改めて思いました。
〜以上となります。
本日もありがとうございました。
明日も明日がありますように。
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