日感アルダ

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韓国映画「MASTER/マスター」あらすじ・感想〜本当にあったマルチ商法詐欺事件

どうも!ぷんおです。

手を変え品を変えいつの時代にも存在する「マルチ商法」(ネットワークビジネス)。

コロナ禍で勧誘集会が出来なくなった話の一方で、不安や寂しさに漬け込んだビジネスの活発さを耳にします。

そこで思い出したのが「MASTER」!

イ・ビョンホンの超胡散臭いカリスマ詐欺師っぷりが見ものです。

この作品、制作費もかかってるしアクションもスゴいのですが、個人的には実話ベースというところが興味ポイント。

今回はその実話を整理しながら書いていきたいと思います。

基本情報

公開:2016年12月21日 (韓国)  2017年11月10日(日本)
原題:「마스터」
監督脚本:チョ・ウィソク

主要キャスト

チン・ヒョンピル(イ・ビョンホン

韓国全土に数万人の会員を持つ巨大投資(マルチ商法)会社「ワン・ネットワーク」カリスマ会長。
巧みな話術で架空で金を動かし財界にも人脈を持つ。

キム・ジェミョン(カン・ドンウォン

知的犯罪捜査課長の刑事。
ワン社の裏に潜む裏金や政治家や官僚との深い関係を疑いチン会長を半年間追い続けている。

パク・ジャングン(キム・ウビン)

天才ハッカー
チン会長の側近であったが、キム刑事に司法取引(裏帳簿と引き換えに減刑)を持ちかけられそれに承諾しチンの目を盗んで情報を集める。

プロット

マルチ商法(悪徳)で巨富を築き、政界官僚までにも影響を与えるチン会長。彼を追う知能犯罪捜査官のキム刑事は、会長の側近の天才ハッカーのパクに捜査への協力を承諾させ検挙のチャンスを狙うが、パクの裏切を察知したチン会長は巨額の資産とともに姿をくらましてしまう。

半年後、チン殺害のニュースが韓国中を駆け巡るが、キム刑事は捜査を諦めずチン会長を追う、、、

作品の元ネタ実在の事件とは?

「チョ・ヒパル医療機器レンタル詐欺事件」(未解決)が元ネタ。

高額なマッサージチェア(約44万円)を会員に売りつけ、会社が代行でリゾート施設や健康ランドなどに貸出す契約をし、そのリース金で会員が儲けを得るというシステム。

預けるだけで8ヶ月で141万ウォン(約14万円)の儲けがあったとの噂も飛び、それを信用し欲に目がくらんだ人々が次から次へと私財を投げうって、このおいしい投資話(オーナー商法)に飛びついたそうです。

会員たちの紹介勧誘で次から次へと子(新規会員)を増やし、その出資金で会社は運営維持という典型的なネズミ講スタイル。

会員が増えるに連れ、不審に思う声も出てきたが適当にごまかしつつ、裏で資産の現金化を進めていき、ある日突然社内のコンピューターシステムをシャットダウンさせ、チョ氏は大金を持って中国に逃亡。

2004年から8年の間で会員3万人からなんと4兆ウォン(日本円で約4千億)も巻き上げたそうです。

肝心のマッサージチェアですが、帳簿上では94万台とのことですが実際は900台位しかなかったとのこと(笑)

現在、チョ氏は死亡したということになっていますが、未だに生きているとかという噂があるそうです。

ストーリーの結末は?

実際の事件は未解決ですが、韓国作品らしく典型的な勧善懲悪なオチとなっています。

チン会長を見つけ出し、街中をぶっ壊しながらのドンパチカーチェイスの末の逮捕。

会長を検察に突き出す前に、パソコンでカタカタと資産を被害者の口座に一斉返金捜査をし、大損した被害者たちもめでたしめでたし。

ラストシーンは黒塗りの警察車両が何台も連なり国会議事堂へ向かうというオチとなっております。

感想と感動ポイント

スゴいなぁと思ったのはお金のかけ方やカーチェイスでもアクションでもなく、イ・ビョンホンの胡散臭さでした。

イ・ビョンホン、カン・ドンウォン、キム・ウビンら共演!映画『MASTER マスター』予告編 - YouTube

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ストーリー的にはどうだったかというと、前述の通りの勧善懲悪で、詐欺行為も悪いけどそれに絡む腐敗した政官財界とか、、、ビョンホンはじめとする3人の生い立ちが貧しくそこから互いに精神的に支え合い(依存)成り上がった感とか、、、被害者(貧困による欲が招いた被害でもある)とか、、、

そんな感じでめっちゃ韓国ドラマあるあるパターンでした。

最近の韓国マルチ商法事情

韓国語でマルチ商法は「다단계」(다단계 판매:連鎖販売取引)といいます。

ちょっと気になり最近のニュースを調べてみたのですが、コロナ禍で打撃を受けているニュースやトラブル記事が見かけられました。

昨年の記事になりますが、高齢者向けの健康食品訪問販売会「リッチウェイ」の会場に人を集めて販売活動をしてコロナ感染爆発させたとか、、、
こういったスタイルをとる会社は経営が大変なようです。

まとめ

ということで、作品よりも本当にあった8年間で4千ウォンの巨大詐欺事件に関心が行っててしまいました。

シュッとしたカン・ドンウォンとキム・ウビンの演技も光りますが、それよりも新興宗教の教祖張りのカリスマ詐欺師役のイ・ビョンホンの怪演が光る一本でした。

〜以上となります。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。

最終更新:2022年5月25日