日感アルダ

映画、ドラマ、文化、日常の果てしなき考察

韓国映画「ヨンジャの全盛時代」あらすじ・鑑賞記録

2022年、一本目の韓国映画は、1975年の「ヨンジャの全盛時代」(영자의 전성시대)をセレクトしました!!!

YouTubeで古い韓国映画が無料で視聴できるチャンネル「Korean Classic Film Theater」というのがあって(公式HP https://www.kmdb.or.kr/main)自動翻訳で観ていたのですが、今日みたら日本語字幕がついていたので再観しました。

 

70年あたりの「ホステス映画」(日本の18禁的な感じ)というジャンルに該当するらしく、この時代の厳しい検閲にギリギリ引っかかかない内容におさめたとのこと。

何(エロ)を求めて映画館に足を運んだのか?36万人動員と大ヒット作だったようです。

あらすじ

主人公のチャンスは3年ぶりにヨンジャと再会する。ヨンジャは売春婦になっていた。

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働いていた工場の社長の食母(※住込み家政婦のこと)のヨンジャに恋をしたチャンスは、入隊することとなり(原作ではベトナム戦争で3年間)その前に婚約を申し出るが、家族のために働かなければならないヨンジャはそれを頑なに拒む。

チャンスが入隊後、ヨンジャの転落人生が始まる。

社長の息子の性の対象となってしまったヨンジャは住込み先を追い出され、友達の家に世話になりながら縫製工場の女工として働くが、一生懸命働いても手元に残るのは小銭だけ。自分の部屋を持つことなんて夢の夢。

友達の紹介でホステスを始めるがうまくいかずバスガール(※詳細は後述)となるが、事故で片腕を失ってしまう。

腕も職も失った無学なヨンジャにできることは身体を売ることのみ。

・・・そうして売春婦になるしかなかったヨンジャを救おうと自身の夢を後回しにし、有り金をはたき世話を焼くが、ヨンジャはなかなか心を許さない。

ヨンジャが心を許し始め出した時、チャンスは暴行事件を起こし収監されてしまう。

出所したチャンスはヨンジャの居た売春宿に向かうが既に閉鎖。ヨンジャも行方不明。

数年後、、、
チャンスは自分の夢を叶え(仕立て屋)ており、再会したヨンジャは家庭を持っており子どももいたが、夫は障がい者(片足不自由)。

一瞬「ハッ!」と口を押え立ち去ろうとしたチャンスであったが、その夫はヨンジャからチャンスとの話を聞いており、一緒に友人のように話しながらバイクでソウルへと向かうのであった。

<終>

感想

貧しい男女が恋をし、その恋が終わった。

数年後、戦争から帰ってきて風呂屋で三助をやってる男でも店を持つことができ、売春婦まで堕ちたかたわ女も家庭を持ち、、、

ラストシーンの高層アパート建設半ばの広大な空き地を見るとそういったドリームも叶う格差のない社会になりそうな気もしなくもないのだが、、、

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・・・思い描いていた夢の現実(今現在の社会の様子)って悲しいですよね(涙)

チャンスがヨンジャの足の不自由な夫の姿を見て「ハッ!」と口に手を当てるのですが、ヨンジャへの愛が自分より格下のもの(職業や障害)への憐れみ根本だったことがわかるような気がしなくもない感じでした。

あとがき

パパッとみてササッと走り書いたのでまとまりがない文章になってしまいましたが、どの国の作品も、貧しさから成長する時代の話は夢があって楽しいなと思いました。

後日改めて気になったこと書き広げたいです。

この作品がどういう温度で作られたのかサッパリわかりませんが、観たままの感想書きました。

このYouTubeチャンネルで昔の作品何本か観たのですが、今の近代韓国の人の考えの根底ってこれだと思うので勉強になります。

Netflixに価値を見いだせない私にとってピッタリのチャンネルです!

本日の勉強

韓国の高度経済成長期の女性の職業

「食母」(식모)⇒「女工」⇒「バスガール」⇒「売春婦」の走り書き。

最初の仕事の「食母」というのは住込み家政婦のことなのですが、田舎の貧困家庭の口減らしのため娘を都会の家に送り込むといった感じの悲惨なもの。
家事は無学でもできますし住み込めばご飯も食べることができます。
そんな大きな家じゃなくてもソウルでは2件に1件あたりの割合で雇っていたようです。
(月々の雇用相場が男性の月のタバコ代と同じくらいの値段だったとのこと)

韓国が本格的に高度経済成長期に入ると「女工」の仕事が増加します。
劇中の縫製工場もそうなのですが、狭い工場が多く薄給で長時間労働を強いられたそうです。

次の一見華やかそうな「バスガール(안내양 案内嬢)」というのがそれよりも劣悪で、降車地アナウンス、運賃集め、ドアの開閉、車両誘導、掃除等の長時間で過酷な労働。
加えて劇中のように満員のバスに乗り切れず身を車外にぶらさげたまま運行したりというのもあったようで実際事故も発生していたようです。

家政婦(식모)とバスガール(안내양)は、技術や学力を必要とされないし、寝泊まりする場所と食事が保証されていたということで、田舎の無学な貧困層の娘たちが多く就いていたようです。

※近々中に食母の細かいことと住込み家政婦が出てくるドラマまとめたいと思います。

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以上となります。
お付き合いいただきありがとうございました!

 

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