日感アルダ

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なぜ 韓国には「屋台」が多いのか?【韓国文化考察】

韓国の繁華街や駅の入口なんかに必ずと言っていいほどある「屋台」や「露店」。
俗にいう『露天商』ってやつです。

なぜ、あんなに多いのでしょうか?

〜今回は数回に分けて話を書いていきたいと思います。

はじめに

露天商とは、露天(屋根のないところ)の路上に品物を並べて商売をすることを言いますが、今回は韓国の<屋台=飲食物の販売>と<露店=物販>という定義でお話をします。

先に書いておきますが、韓国の大半の屋台が違法です。

屋台

韓国の屋台(飲食物)はざっくり2つに分類されます。

いずれも、繁華街,駅の出入り口,会社・学校の周辺など人通りの多い場所に出没します。

ノジョム(노점)

軽食やおやつ(トッポッキ、ホットック、キンパなど)を提供。
立ち食い、テイクアウトが基本。アルコール提供なし。

(※ノムジョは露店の意味)

www.konest.com

ポジャンマチャ(포장마차)

居酒屋タイプの複数メニュー。アルコール提供あり。
着座式(簡易テーブルと椅子)。上記画像のように野ざらしのものもあれば、テントで囲っているタイプもあり。
略称は「포차」。

(※ポジャンマチャは幌馬車の意味)www.konest.com

露店

屋台同様、繁華街や駅前などの路上通路で商品をワゴンや地面に並べて販売。
品目はファッション小物や雑貨など多岐に渡る。

〜靴下がめちゃめちゃ多いのは、国内生産率が高いからだと思われます。
日本だと8割以上が輸入品ですが、韓国は7割強が国産とのことです。(2017年データ:ぷんお調べ)

ソウルナビさんのリンクに屋台画像がたくさん載っています!売っているものは基本今も変わっていません。
www.seoulnavi.com

韓国の露天商の現状

2019年にソウル市では「露天商許可制」を導入したのですが、2021年9月時点で全露店の5873店のうち許可を受けた露店は1913店。
つまり、約67%が無許可 (違法)とのことです。

この「露天商許可制」の内容というのがハードルが結構高く、

△道路占用許可制の導入(許可証の転売禁止)
△施設物の設置基準の順守
(最大占有面積3m×2.5m以下。通行可能な幅2.5m以上要。バス・タクシー乗り場、地下鉄出入り口、横断歩道周辺には設置禁止。隣の露店と8m以上の間隔要)
△運営者教育(年1回以上)
△道路占用料の納付(占用している土地の地価の0.7%)
△許可された面積を超えて占有した場合は過料を徴収

(参考:露天商許可制 l KBS WORLD

…と、クリアするにはかなりの費用と努力が必要で、実のところ露店を健全化するためというよりも減少撲滅にもっていくためのものであるといった内容です。

上記を見ると許可得ることで最低でも 道路占有用料支払いの義務,安全衛生などの管理義務,納税の義務が生じるし、許可証は1店舗1名なので複数店舗の運営や他者(親族含む)への譲渡が不可能になるので、道路不法占有の違反金を払いつつ違法営業していたほうがオイシイのが現実といったところでしょうか?

最近はおしゃれなフードトラックも増えていますが、車輌が条件を満たしていても営業する場所がないということでトラブルになるケースもあるようです。

結論

屋台が多い理由は簡単で、違法露店を減らそうと法を整えても違反したまま営業を続けるお店が依然として多いからということになります。

次回予告編

<以下、2022年5月24日追記>

どこの国でもそうですが、戦後や物資が乏しい貧しい時代には闇市が発生しました。

日本の上野などの成り立ちもそうですし、北朝鮮には政府黙認の露天が軒を連ねた闇市チャンマダン - Wikipedia)が存在します。

韓国の場合は、日本と同様に戦後に発生したものとIMF通貨危機あたりで職を失った人々が元手をかけないで商売を始めたパターンの名残が現在混在し、撤去できないでいるものも混じっているようです。

違法露天商が依然として存在するということは、それを営む貧しい人々への同情部分もあったようですが、その意識は前述の通り変化していっています。

コロナ禍でどこの国のお店も店を閉めざるを得ませんでした。

韓国でももれなく繁華街の観光客目当ての屋台や露天の数は激減し、たとえ合法でも密になるポジャンマチャは対処に苦しい状況です。

次回については、アフターコロナの街の様子を見つつ掘り下げていきたいと思います。

2000年代半ばまでのドラマには、主人公が失職して違法露天を営む作品が結構あるのでそれも交えての記事となる予定です。


今日もお付き合いいただきありがとうございました。