儒教思想が今よりもっと強かった当時の韓国で女教師と生徒の恋愛をはじめて設定にしたドラマ作品。
放送開始前から教育関連団体から申立があったとのこと。(関連記事→ネイバーニュース)
2話で島に遊びに行って帰れなくなり止むなく一夜を同じ軒下で過ごした時点(頬にキスした程度)でお茶の間からの電話が殺到したとのエピソードもあり、時代を感じる一作です。
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基本情報
放送:2002年5月8日〜6月27日(MBC)全16話
視聴率:最高33%(35%説もあり)
日本ドラマ「魔女の条件」(1999年)に設定がよく似ていますが正式リメイクではありません。(参考:魔女の条件 - Wikipedia)
キャスト
〜( )内は「魔女の条件」の配役と照らし合わせてみました。
キム・チェウォン(キム・ハヌル)
高校の国語教師〜(松嶋菜々子に該当)明るい性格の高校教師。母親は漢江デザイン経営でチョッと天然。父親は大学教授。
チェ・グァヌ(キム・ジェウォン)
チェウォンの生徒〜(滝沢秀明に該当)高校3年生。バンドをやっていて将来は音楽の勉強をしに外国に行くという夢を抱いていたが、父親の自殺で学業とバイトをかけ持たねばならない状況になる。
イ・ウンソク(チョン・ソンファン)
チェウォンに好意を寄せる〜(別所哲也に該当)チェウォンの母の経営する漢江デザインに勤務。チェウォンに好意を寄せており結婚して跡取りの座を狙っていたがプロポーズをするがグァヌの出現で計算が狂い、復讐の気持ちへと変わっていく。
チェ・ユニ(キム・ユミ)
グァヌの姉〜(しいていうと 西田尚美)お嬢様大学に通っているが、父の会社の倒産により貧しくなりプライドが傷つく。漢江デザインにインターンとして入社しながら水商売を続けていたところにウンソクが客として訪れ、やがてウンソクの子供を身ごもってしまう。
チェ・チャンビ(ムン・ジユン)
グァヌの弟。転校先の高校の担任がチェウォン。父の自殺で一気にヤサグれ転校先の高校で無断欠席が続き家出。少年院へ。
ユン・ジス(ハン・ヘジン)
クラス委員長〜(山田麻衣子に該当)グァヌに好意を寄せる。
あらすじ
2人は出先で交通事故を起こしたことで出会い、グァヌはチェウォンに一目惚れ。
二度目の再会で互いに年齢を偽り(高校生と女教師ということを隠し)ながら好意を寄せ合いまた合う約束をする。
しかし、グァヌの父親の会社(アパレル業。鎮海でデニム製品を作り海外輸出)の会社が通貨危機で経営が苦しくなり多額の借金を抱えたまま自殺。会社は漢江アパレルに買収され、生活は一変し連絡先を交換した携帯電話も使えなってしまう。
裕福だったグァヌの一家は鎮海からソウルに夜逃げ同様の引っ越しを余儀なくされ、転校した先の高校になんとチェウォンが教師とて働いていた。
そこで互いが想い合ってはいけない教師と生徒の関係だと知り、気持ちを隠すようにするが、2人の仲の噂は学校に広まり、それに嫉妬したジスがインターネット掲示板に書き込み。更に新聞社に告発をしたことで大きな問題となり、グァヌは退学処分となるが、それを救うためにチェウォンは教師を辞める。
チェウォンはグァヌ母と二度とグァヌと会わないとの約束をしパリへの留学を決めるが、2人は3年後思い出の場所で出会えれば出会おうと時を誓う。
3年後、グァヌはデザイン学校に通いながら東大門でジーンズデザイナーとして大きくなることを夢見ながら頑張る毎日。帰国したチェウォンは思い出の地鎮海で約束の時に駆けつけるが会えずじまい。ウンソクとの結婚を決め自らも漢江デザインに入社。
そこで同業者として2人は再会。
父の自殺が漢江アパレルと関係があったことを知り、チェウォンを遠ざけるようになり、チェウォンもグァヌの父の自殺と一家を貧困に追いやった原因に自分の母の会社が絡んでいることを知る。
最後はどうなったか?
前述のような逆境や互いの家の恨み辛みを越えるために、大学教授のチェウォンの父はグァヌの家に出向きグァヌの母に床に座って頭を下げ、思い出の高校校舎で改めてプロポーズ。
といった感じ。
見どころと感想
父親の自殺後、裕福だった一家の生活が一気に底辺に堕ちる様子(貧困家庭の描きに時代を感じる)や、発覚した隠し子の存在で行き場のない怒り。姉や弟のやさぐれ。堕ちてもなかなか捨てられないプライドや恨みつらみ。知らずに人を傷つけてしまうことについても考えさせられるところがありました。
高校教師とその生徒の禁断の恋愛設定を20話ある話の前半で留め、一気に3年後に設定をジャンプさせて後半は成人同士として向き合わせているところは、当時の韓国の高校女教師とその教え子の禁断の恋を長く引っ張れなかった制作側の苦労が感じられ、それを補うために両家の受け入れられない関係性という別の禁断性を敷いているところに韓国らしさを感じました。
先生という職業への尊敬度の温度感も非常に伝わってきます。
その他、、、
1話に出てくる「鎮海桜まつり」の桜がとても綺麗なのですが、桜が美しく咲き誇っているかの説明(独立後、日本の象徴である桜を全部切り倒した後その桜が済州島原産のものだと分かり植え直した云々)。
現在DNA鑑定などから、韓国が言い張る王花は単なる亜種であることが判明しているのですが、これを見たまま信じてしまう層がいるんだろうなぁ〜と色々と考えてしまいました。
日本が悪くて切り倒した気持ちが存在したのは理解できますが、桜の起源では韓国ではないですよ。
とはいえども、最近の傾向から作品にしてしまったほうが勝ち&嘘もいい続ければ誠になる感もあり、複雑な思いになってしまいます。
色々感じどころはありますが、とにかくキム・ジェウォンのフレッシュでひたむきな演技が光る一作で(キラースマイルと呼ばれたそうです)当時の日韓ワールドカップの盛り上がりに負けない話題性をさらった現象が理解できました。
バンドやってる男の子がジーンズデザイナーになるという設定は、当時の感覚でイケてる設定であったと思います!
それとともに、まだ駆け出しの頃のキム・ハヌルの大根演技が見れる貴重な作品であると懐かしく思えました(笑)
〜以上となります。またお会いしましょう!
2022年5月25日リライト更新
韓国ファッションの立ち位置がわかる作品の一本かと思い再鑑賞&考察を予定しています。